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2013/02/06 (Wed)
dcad7dbb.jpeg二日前(2013年2月4日)に、昨年8 月に発見された人骨がDNA鑑定の結果イングランド王リチャード3世 (1452-1485年)のものであることが分かったという発表があった。リチャード3世は、ヨーク家とランカスター家とが争ったばら戦争(1455-1485年)の中、1485年のボズワースの戦いで敵対するヘンリー・チューダー(後のヘンリー7世)に敗れて戦死した王で、1154年から続いたプランタジネット朝最後の王である。

シェイクスピアの劇『リチャード3世』では、ボズワースの戦いで馬を失い窮地に陥ったリチャード3世が ‘A horse, a horse, my kingdom for a horse.’ といって馬を求める台詞が有名である。また、同じ劇にも描かれているように、彼は生まれつき背中が大きく曲がっていたという。

ボズワースの戦いの後、リチャード3世の遺体は、戦場近くのレスターの町に運ばれ、フランシスコ会の修道院に付属の教会墓地に埋葬されたとされていた。しかし、その後この修道院や教会はヘンリー8世の時代の修道院解体により解体され、その際にリチャード3世の骨は川に投げ捨てられたとも言われていた。修道院解体後、この敷地には別の建物が立ったり道路や駐車場が作られたりして、教会(の跡)自体が長い間土の下に埋もれていたのであるが、昨年の発掘により教会の位置が特定され、そこから見つかった骨が今回リチャード3世のものと分かったのである。というわけで、川に投げ捨てられたというのは伝説にすぎず、修道院解体後も同じ場所に埋葬され続けていたということになる。

発見された骨の頭蓋骨には8か所も損傷が見つかっており、そのうち2つは特に大きな損傷で、専門家によると、これが致命傷となり、この傷を受けて間もなく意識を失い死んだものと考えられるとのことである。また、背骨が大きく曲がっているという点でも伝承と一致する(上の写真からも分かるように、確かに背骨が大きく曲がっている)。これら骨の特徴に加え、彼の骨から採取したDNAと、16代後の子孫から採取したDNAとの鑑定により、この骨がリチャード3世のものと断定された。

戦死というイングランド王にしては珍しい最期を遂げたことに加え、特に、その死により敵対する側に王朝が交代したこともあり、彼はイングランド王に相応しい方法では埋葬されなかったのであろう。それに加え、暗殺などを繰り返し人望のない王だったということももう一つの要因かもしれないが。。。

王家に属する人々の多くは(1760年以前までは)死後ウェストミンスター寺院に埋葬されるという伝統があり、リチャード3世を倒したヘンリー7世の時代には当時のウェストミンスター寺院にあった王家の墓が既に満員になっていため、新しい建物が増設されたほどであった。ここに埋葬されていない王(例えば、エドワード4世、ヘンリー8世、チャールズ1世など)も、別の場所にしかるべく埋葬されているのが通常であり、リチャード3世のように行方不明になってしまったというようなケースは珍しいが、これも上述のように、戦死、王朝の交代、修道院解体など、特殊な事情が重なったためであると言える。

今回ようやく文字通り日の目を見ることになったリチャード3世の遺骨であるが、今後はどこに埋葬されるのかも少し気になるところである。さすがに博物館に展示されるなどということにはならないだろう。。。

以下は、この出来事を伝えたアメリカのニュース。世紀の発見を伝える会見や発掘現場の様子なども含まれている。

http://www.youtube.com/watch?v=ijDuNriQZuc
 
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